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「いい音」の根拠となる技術

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Live Stage 999の要素となっているスピーカーユニット(ドライバー)、
パッシブラジエーター、アンプ、キャビネットそれぞれに、
独自の技術が盛り込まれていて、それらが相互に融合することで、
大変評価の高い音質を生み出しています。

高い評価の音質を生み出している、
Live Stage 999で実現されている技術的実力を実測データーで証明してまいります。

1)スピーカーユニットの入力 対 THD(全高調波歪)の増加パターン

グラフ1:入力-対-THDの比較-(Unicode-エンコードの競合)
入力の増加に合わせてTHDがどう増加するかのパターンを見ることで、

1.小振幅時のリニアリティー
2.振幅限界時の振幅制限状態

を見ることができます。
このグラフはTHDの増加とコーン紙の振幅の増加は比例していますのでコーン紙の振幅の増加パターンとも成っています。

{小振幅時のリニアリティーが良く、振幅限界に向かって徐々に振幅が制限される増加パターンが理想です。}

多くのスピーカーには厚みが均一なロール形状のエッジが使われています。
グラフから全体的に振幅リニアリティーは良いのですが、大入力が入り振幅限界に達するまで歪が増加します。
現実的には振幅限界に達した時点で動作が不安定に成って、機械的に生じる異音を発生させます。
ロール形状のエッジの弱点ですが、振幅限界附近は異音成分を多く含んだTHDに成っています。
これを詳細に見るには各高調波歪の増加を見る必要が有ります。4)項で詳細に説明します。

THDが増え続け振幅限界に達した際のTHDのレベルが70%と非常に高くなります。
この現象を避ける為に取られる手段はダンパーによる振幅制限が一般的で、エッジのみでは振幅制限を掛け異音の発生を抑えることが出来ません。

Live Stage 999のスピーカーユニットにおいては、ユニットの全高を20mm以下に押さえる大目標が有りました。
その場合に構造的にダンパーが使えず、エッジだけで振幅制限を実現させました。
なお一般的に設計されたダンパー付きスピーカーユニットの全高は35mm程度です。

スピーカー比較

S&C(スイング&コントロール)テクノロジーは小入力時には{動き易く、振幅リニアリティーが良く}
入力が大きく成るに従って、{振幅が制限されていく}事を可能にした技術です。
グラフからS&Cテクノロジーのエッジでは、{入力の増加に従って、THDの増加が押さえられていく}事が分かります。
ゴム材料を使用し、断面形状に工夫を凝らせる事で理想的な振幅の増加パターンが実現しています。
この増加パターンにより振幅限界に達した際でもTHDが50%に押さえられ異音が発生しません。

2)パッシブラジエーターの入力 対 THDの増加パターン

グラフ2:パッシブラジエーターの入力対THD

パッシブラジエーターにはダンパーを使用しないのが一般的です。従ってスピーカーユニットと同様の特性を持ったエッジが重要です。
パッシブラジエーターもグラフで示される様に理想的な振幅の増加パターンが実現しました。
**この歪の増加パターンは、トランジスターアンプと真空管アンプの歪の増加パターンの違いに似ています。
S&Cテクノロジーのエッジが、真空管アンプの歪の増加パターンになります。

**6cmの小口径なスピーカーでは振幅限界まで使用されることが多く、この歪の増加パターンは音質上で大きな意味を持ちます。
上記で説明した3種類のエッジ形状を断面図にて示します。

図1:各エッジの断面形状 

 

特異な断面形状のエッジとなっている特許技術です。(特許第5400246号)

S(スイング) & C(コントロール)テクノロジーと名づけました。
これらの断面形状で小入力時のリニアリティーと振幅限界時の振幅制限を両立させました。

3)スピーカーユニットの周波数スペクトル

グラフ3:スペクトルの比較-

全高調波成分が見れる周波数スペクトルを均一肉厚のロールエッジとS&Cテクノロジーのエッジで測定しました。
80Hzの正弦波を各スピーカーユニットに入力した状態でFFTにて測定しています。

{次数が上がるに従ってレベルが下がっていき、測定ノイズレベルまで下がるのが理想です。}

*均一肉厚のエッジでは3次以上の奇数時で高調波歪が大きく増えます。
また1kHz以上でもレべルが高く異音成分を多く含むことが周波数スペクトルで読み取れます。

*S&Cテクノロジーのエッジでは、次数が上がるに従って高調波歪は減少します。
また1kHz以上は測定ノイズレベルです。異音成分が存在しないことの証明です。
S&Cテクノロジーで振幅限界時以上の入力でも異音を発生させないエッジを作りました。

4)スピーカユニットの入力 対 高調波歪の増加パターン

グラフ4:入力対高調波歪の比較 (Unicode エンコードの競合)

異音成分の状態をもっと詳細に見る目的で「入力 対 2次、3次、4次、5次、7次、9次」の高調波歪を測定し比較を行いました。

{入力に対して極端にレベルが上昇しないことが必要です。}

*均一肉厚のエッジでは特に5次、7次、9次において3V以上で急激に歪レベルが増加しています。
この歪の増加パターンは、高調波歪と言うより、機械的に生じる異音成分に近くなっています。
聴感上でも異音を感じました。
*S&Cテクノロジーのエッジでは次数により上昇パターンは異なりますが、入力に対して急激な歪レベルの増加は見られません。
このグラフからも異音成分が存在しないことが証明されます。

5)スピーカーユニットの音圧周波数特性

グラフ5SPL-Curve-1

このグラフより下記の性能上の実力が読み取れます。

1.強力な駆動力を持つスピーカーユニット

200Hz以下の帯域で、音圧レベルがダラダラと下がっていますが、強力な駆動力を持ったスピーカーユニットはこの特性パターンを持ちます。(Qtsが低い)

振動板を重くする必要の有る、パッシブラジエーターを十分に駆動するには、スピーカーユニットに強力な駆動力が必須です。(重い物は力が無いと動かない)
最大限の駆動力を持たせる目的で、最大限なサイズのネオジュームマグネットを使用しました。
2.共振現象が見られないコーン紙(エッジ含む)

この周波数特性には2次と3次の高調波歪特性を添付しました。
コーン紙に共振現象が有ると、2次高調波歪にピーク状の乱れが生じます。
Live Stage 999のスピーカーユニットの高調波歪特性を見る限り5kHzまで殆どそれらしき乱れが見られません。
匠なコーン紙とエッジ形状により、共振現象が見られないコーン紙を設計しました。

6)Live Stage 999 システムの周波数特性

グラフ6:SPL-Curve-

オートラウドネスを駆使したアンプによる聴感上の周波数特性の補正

システムの周波数特性は主にアンプで補正していますが、試聴する音量に合わせて周波数特性のバランスを調整するオートラウドネス機能を持たせました。
これは音量が下がるに従って低域と高域のレベルを上げていき、音量が上がるに従って中域のレベルを上げてゆく、周波数帯域バランスの調整方法です。

*どういった音量でも最適な周波数帯域バランスの音質を提供します。

Live Stage 999は電源を入れた時、標準的な音量に成る様設定されます。
標準ボリュームでのシステム特性を示します。

スピーカーユニットの特性と比較して、100Hz以下の低域と7kHz以上の高域のレベルが上がっています。

グラフから再生周波数帯域は20Hz−20kHzとしても実力的に問題は有りません。
一般的に楽音に含まれる周波数帯域は50Hz−20kHzであるため、製品の性能表示はこの帯域としました。

7)キャビネット内の定在波の影響

グラフ7:キャビネット内部の音圧周波数特性 (Unicode エンコードの競合)

{全帯域に渡り特定の周波数帯域で大きな乱れが無いことが理想ですが、現実これを実現するのは不可能に近い。}

キャビネットにおいては内部定在波が音質に最も影響を与えます。
定在波の影響は内部音圧の周波数特性を測定すれば分かります。
Live Stage 999 のキャビネット内部にマイクロホンを差込み測定しました。

キャビネットの内部寸法から定在波が生じる周波数を計算すると、
左右方向で620Hz、上下方向で1.6kHz、前後方向で10kHzです。

内部音圧の周波数特性を400Hz以上でグラフ化しました。

*左右方向の620Hzでは殆ど乱れは有りません。定在波が存在しない事になります。
キャビネット内でのロスが大きく大幅に減少しています。

*上下方向の1.6kHz附近にディップが有るのが定在波の影響ですが、周波数特性上に大きな乱れが生じていないので影響は少ないと思います。

*8−16kHzに定在波の影響が見られますが下記の様な考察を行いました。
前後方向の10kHzの定在波が大きな意味を持っています。
Live Stage 999 のスピーカーユニットは低域性能を重視している為、高域限界周波数が7kHzです。
これを補っているのが10kHz帯域の定在波です。
コーン紙の後面より放射された音波が、キャビネットの裏側で反射し、10kHzを中心とした帯域でコーン紙の前面から出た音波と正相になります。
キャビネット内でのロスが殆ど無ければ6dBの音圧上昇が期待できます。
またこの反射音は1波長遅れているのでサラウンド効果を生みます。

8)その他技術的実力を示す事項

グラフでは示しませんがその他の技術的実力を下記に記載します。

1.キャビネットの板振動
振動ピックアップで測定するとキャビネット板振動の1次モードは600Hzで、大変低い振幅に押さえられています。
Live Stage 999 サイズのキャビネットでは何も対策が無ければ板振動の1次モードは200Hz附近で、振幅が大きく音質に大きな影響を及ぼします。
Live Stage 999 のキャビネット設計に当たって、スピーカーユニットとパッシブラジエーターの取り付け構造に工夫を凝らしました。
また裏板に取付けてあるスタンド部も強度アップに役立っており、強固なキャビネットに仕上げました。
板振動が存在しないことから、キャビネットの材質で音質の変化は出ません。

*全帯域に渡ってキャビネットの板振動を無くす設計をしました。

2.低周波数域でのキャビネットの振動対策

製品重量640gと軽い上にスピーカーユニットが強力な駆動力を持つ為、コーン紙を動かす力の反作用でキャビネット全体が振動します。
Live Stage 999では実測で35Hz近くでキャビネット全体が振動します。振幅も大きい為、

*製品全体が動きまくる
*台にしている板に振動が伝わり不要な音が台の板から出る

の困った現象が起きます。
Live Stage 999ではこの現象を3点のゴム足で解決しました。大変効果的な対策をしました。
スピーカーシステムでスパイク上の足をよく使いますが同じ対策です。
磁気回路とキャビネットが重ければ周波数が下がり振幅も減ります。
一般的にキャビネットが重いほど低音が出ると言われますが、キャビネットの重量は振動対策になるのみです。
本来キャビネットの重量と低音再生能力に因果関係は有りません。
Live Stage 999がこれを証明しています。

9)性能上の結論

*音楽を試聴するのに実用的に必要な50−20kHzの再生周波数帯域を完全にカバーしました。
*コーン紙、キャビネットの共振現象で発生し易い200Hz以上の全周波数帯域においてTHDを1%未満としました。

一般的に6cm口径のスピーカーと0.5L容積のキャビネットでこの性能を確保するのは大変困難です。
16cm口径以上のウーファーを搭載した単品コンポクラスのスピーカーでこの性能を確保するのも大変困難です。
その意味から16cm口径以上のウーファーを搭載した単品コンポクラスに匹敵する音質性能を持ったスピーカーと言えます。
近年ハイレゾ等高音質を目指した技術開発が進んでいますが、電気・音響変換器の役目を担うスピーカーの性能が
低いもので再生したのでは何ら意味を成さないと感じています。
弊社は広帯域、低歪と言う音響技術の基本を忠実に開発設計と音作りを行うことで「良い音」の世界に低価格で貢献します。
是非とも一度ご試聴いただき、「良い音」の世界をご堪能ください。
最後にキャビネットの奥行き寸法と低音再生には理論的に何ら因果関係は有りません。低音再生は容積のみが重要です。
(低音再生能力の方程式の中にキャビネットの寸法は一切存在しません。)
Live Stage 999がこれを証明しています。
逆に19mm全高のスピーカーユニットと25mm厚みのキャビネットでアコースティックな響きを作りました。

10)音質評価と技術的実力との関連性

オーディオ・ビジュアル評論家の鴻池先生より、
→真空管アンプが奏でるような温かみのある音。
→耳に優しく、ふくよかな低音。
→(打ち込みの音というより)弦やアコースティックな響きの表現力が巧み。
ジャズのスモーキーなサウンドを雰囲気たっぷりに再現する。
といったご評価を受けています。

1.スピーカーユニットとパッシブラジエーターに採用したS&Cテクノロジーで、

→真空管アンプが奏でるような温かみのある音。
→耳に優しく、ふくよかな低音。

の音質評価を生み出しました。

2.キャビネット前後の定在波を10kHzに存在させることで、

→(打ち込みの音というより)弦やアコースティックな響きの表現力が巧み。

の音質評価を生み出しました。
中途半端なツィーターを追加するより高品位な弦やアコースティックな響きの表現力を作り出しました。

3.キャビネットの板振動とコーン紙の共振現象が存在しないことで、

→ジャズのスモーキーなサウンドを雰囲気たっぷりに再現する。

の音質評価を生み出しました。

他に類が無い高質な響きのスピーカーです。

(注釈)
周波数特性は実測データーで示しますが、マイクからの距離、測定室の測定環境により特性パターンが大きく変化します。
同じスピーカーを別の測定環境で測定すると、周波数特性は異なります。
この影響を極力少なくする為、添付の周波数特性は、スピーカーの前面から4cm〜10cm位置の近傍で測定しています。

(執筆)ディービーテクノロジー株式会社  スピーカー設計開発事業部 今田 始


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